それアウトです!

態度

男性上司が女性従業員の肩に手を置いて話す

企業におけるコンプライアンス違反が頻繁に取り沙汰されている。
昨今、何気なく発した一言やしぐさがきっかけで、大問題に発展するケースも少なくない。本コラムでは、つい言ってしまいがちなキーワードや態度から、なぜそれが「アウト」なのかを掘り下げよう。

  • ハラスメント
  • パーソナルスペース
  • 接触
更新

仕事でミスをして落ち込む従業員を励まそうと、上司が部下の肩や背中にそっと手を置く――。そんなシーンを見かけたり、自身が行ったりしていないだろうか。上司に悪気がなくても、触られることに嫌悪感を抱く人はいる。

体への接触に対する感覚は個人差が大きく、信頼関係や親密さによっても異なる。新型コロナウイルス禍で、人との接触を極力避けた期間があった。その影響もあり、特に若者世代と中年層以上においては、人と人との精神的・物理的な距離感に差がある。

人に触るという動作は、一般に想像するよりデリケートな問題だ。専門家によるカウンセリングの現場では、相談者の手を握って落ち着かせるといった行為は、相手の許可がない限り行わない。それほど相談者に与える影響は強い。医療従事者も、治療の際に「腕を触りますよ」と患者に声かけしてから接触する。

職場では相手の体に触れず、「失敗を受け止めて一緒に対処しよう」と言葉で励まし、支えるのが望ましい。

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監修

稲尾 和泉

クオレ・シー・キューブ 取締役

2003年4月からクオレ・シー・キューブにてカウンセラーおよび研修講師。産業カウンセラー/キャリア・コンサルタント、精研式SCT(文章完成法テスト)修士、日本キャリア・カウンセリング学会会員。共著に『パワーハラスメント』(日本経済新聞出版)など