それアウトです!

キーワード

さすが、できる人は違うねぇ

企業におけるコンプライアンス違反が頻繁に取り沙汰されている。
昨今、何気なく発した一言やしぐさがきっかけで、大問題に発展するケースも少なくない。本コラムでは、つい言ってしまいがちなキーワードや態度から、なぜそれが「アウト」なのかを掘り下げよう。

  • 皮肉
  • ノンバーバルコミュニケーション
  • ハラスメント
更新

今回のキーワードは「さすが、できる人は違うねぇ」だ。ただ、この言葉に伴うノンバーバルコミュニケーション(非言語コミュニケーション)次第で、言われた人の感じ方が全く異なる。
「すごいなあ」と感心したのか、妬みややっかみ交じりの皮肉なのか。言った人の表情、声のトーン、態度、身ぶり手ぶりのノンバーバルコミュニケーションにより、大きく異なる。
伝え方を間違えると、「ばかにされた」「見下された」と感じさせてしまい、こうした発言が重なると人間関係に悪影響を及ぼす。

従業員が皮肉交じりの発言を繰り返し、職場のチームワークを乱す場合は、上司は、「それはさすがに言いすぎじゃない?」などやんわり忠告しよう。当人に皮肉を言っている自覚がないケースは1対1で面談し、言われた人や周囲で聞いている人が感じた印象を伝える。そのような発言の背景には、現状の仕事に対する不安や不満の鬱積が潜んでいるケースもある。発言者を注意する前にしっかりと相手の気持ちや状況を聞いてほしい。

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監修

稲尾 和泉

クオレ・シー・キューブ 取締役

2003年4月からクオレ・シー・キューブにてカウンセラーおよび研修講師。産業カウンセラー/キャリア・コンサルタント、精研式SCT(文章完成法テスト)修士、日本キャリア・カウンセリング学会会員。共著に『パワーハラスメント』(日本経済新聞出版)など