中小企業こそ実践したい!
チームビルディングのイロハ
マインドやカルチャーをシフトチェンジ
組織改革を成功させる
「従業員にやる気がない」「人が育たない」「すぐに辞めてしまう」
といった、人に関する悩みを抱えていませんか。
従業員のモチベーションをアップし、企業を成長させる
理想の組織はどうすればつくれるのかを紹介します。
- 組織改革
- マインドシフト
- 沢渡あまね
この記事のポイント
- 社内のローカルルールを疑え
- 内向きの社内体制がモラル崩壊をもたらす
- 4つのシフトチェンジで組織改革を成功させる
「ローカルルールとは、法令によって定められた全国一律に適用されるナショナルルールとは異なる、特定の地域に固有のルールをいう」。これは内閣府が規制改革推進会議(2023年)の中で、行政上のローカルルールについて述べたものだ。同様に、企業においてもローカルルールは存在する(図A)。
図A 組織にありがちなローカルルールの例
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今どきそんな企業があるのかと感じる向きもあるかもしれない。だが多くの企業や自治体で組織開発を手がける沢渡あまね氏によれば、令和の今もこうしたルールが存在する企業は珍しくはないという。お茶出しは女性の役割とする習わしは、規模や業界を問わず見受けられる。前例踏襲の悪気なく続くローカルルールこそ、見直しや改善が必要だと沢渡氏は続ける。
「社内では当たり前のルールが、いつの間にか現在の社会通念から大きく逸脱しているケースは少なくありません。そのままにすると取引先などの周囲から時代遅れの会社と捉えられる恐れや、企業としてのブランド価値が低下して顧客の獲得や人材採用の面で不利になる可能性もある。内容によってはコンプライアンス違反になる場合もあります」
とりわけ採用面では、求職者に「入社後はこの慣習を押し付けられそう」「風通しが悪いのでは」との不安を抱かせる。人材確保の障壁となる可能性が否めない。
内向きの社内体制がモラル崩壊を生み出す
組織が知らぬ間に世の中の潮流や変化に追随できなくなるのはなぜか。沢渡氏はその理由を「モーレツな内向き体制⇒モラル崩壊」と解き明かす。自分たちがすべて正しいと信じ込むあまり、自己高揚感が高くなり過ぎて外を見ようとせず、ひたすら組織の内と上だけを見てしまう。やがて暴走が始まり、モラルが崩壊する図式だ(図B)。
図B 会社が時代遅れになるプロセス
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旧態依然とした中小企業や地方都市企業にこの傾向が強いと思われがちだが、沢渡氏はそうではないと指摘する。
「同様の問題は、スタートアップ企業や外資企業にも見られます。先進的だから安心、グローバルだから健全かというと、決してそうではありません。組織がクローズし、外の風が入らない状態であれば、どんな企業も同じ結果を招きます」
こうした事態を回避するため、経営トップは常に社会に目を向け、自分の会社がどういう状況にあるのかを客観的に知る努力が必要だ。外部の専門家に講演や研修を依頼したり、新たな企画やプロジェクトに外部のメンバーを入れたりと、積極的に外とのつながりを創出したい。より具体的に自社の実態を知りたい場合は、第三者によるアセスメントを受ける方法もある。社内で新しい情報を共有したり共に体験したりして、仕事に生かす方法も取り組みやすく効果的だ。
ある老舗の製作会社では、トップが立てた「新しいものを全員で学んでみる」との方針の下、従業員全員が部署を超えてマーケティングDXを使った新たな顧客開拓に取り組んだ。結果、顧客獲得だけでなく従業員の士気も上がり、会社の新たな歴史が回りだした。トップが率先して外の風を取り入れ、成果が出た例といえる。
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沢渡 あまね
あまねキャリア代表取締役1975年生まれ。作家、企業顧問、ワークスタイルおよび組織開発専門家。「組織変革Lab」主宰。ダム際ワーキング協会共同代表、大手企業 人事部門・デザイン部門ほか顧問。プロティアン・キャリア協会アンバサダー、DX白書2023有識者委員。日産自動車、NTTデータなど(情報システム・広報・ネットワークソリューション事業部門などを経験)を経て現職。400以上の企業・自治体・官公庁で、働き方改革、組織変革、マネジメント変革の支援・講演および執筆・メディア出演を行う。趣味はダムめぐり。#ダム際ワーキング 推進者。組織改革・マネジメント変革に関する著書多数。