中小企業こそ実践したい!
チームビルディングのイロハ
管理職の役割を分解し
チームプレーで取り組もう
「従業員にやる気がない」「人が育たない」「すぐに辞めてしまう」
といった、人に関する悩みを抱えていませんか。
従業員のモチベーションをアップし、企業を成長させる
理想の組織はどうすればつくれるのかを紹介します。
- 組織管理
- 脱マイクロマネジメント
- 沢渡あまね
この記事のポイント
- 管理職になりたがらない人が多いのはなぜか
- マイクロマネジメントは組織の成長機会を奪う
- マネジメントはチームプレーで取り組もう
管理職とは、組織の中核として組織の運営に関わり、業務を遂行しつつメンバーを指導・監督する役職をいう。組織の次代を担うリーダーとして重要なポジションで、組織に欠かせない存在でもある。だが人手不足の昨今、現場で業務をこなしながら管理もするプレイングマネジャーも増えており、管理職に求められる役割は積み上がる一方だ。
そうした傾向もあってか、近年「管理職になりたくない」という従業員はさらに増えている。管理職を"罰ゲーム"と捉える傾向すらあり、管理職のなり手不足は深刻な問題だ。図Aは、「管理職の実態に関するアンケート調査」の結果だ。2023年時点で、「管理職になりたくない」と回答したのは77.3%で、2018年に比べ、4.5ポイント増えている。
図A 管理職になりたくない割合
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「管理職の実態に関するアンケート調査」2018年/2023年
多くの企業や自治体でコンサルティングを手がける沢渡あまね氏は、管理職の役割は大きく2つだと説く。
1:組織とメンバーの景色を合わせ、けん引する
2:メンバーが成果を発揮できるようにするための環境を整える
このうち2について課題を抱える管理職や上層部が多い印象があると沢渡氏は言う。環境を整えるためには"今のニーズ"を捉える必要があるにもかかわらず、旧態依然とした体制のまま組織を動かそうとする現状が背景にあると分析する。
人材の確保が容易だった「人口ボーナス期」と称された時代は、会社の指示や前例に従うだけでそれなりの成果が出せた。年功序列の下、過去の成功例に沿ったやり方を重ねれば安泰に定年を迎えられる社会構造も構築されていた。加えて、同質性の高い人材で組織が構成されていたため、決まったゴールに向けて一斉に走りだせる環境にあった。リーダーの一声で組織全体をけん引できたのだ。
しかし、生産年齢人口(15歳から64歳)よりも従属人口(生産年齢人口以外の人口)の割合が上回る「人口オーナス期」の現在、環境は大きく変わった。既存のやり方とは違う新たな発想が必要とされる時代になった。
管理の仕事には3つの異なる役割がある
現代は、より長く働かざるを得ない"人生100年時代"でもある。組織が一定の世代だけで構成されていた頃と異なり、管理職は若手やシニアなど多様なバックグラウンドの人たちに向き合いながら、組織が目指す方向とすり合わせなければならない。これまでにない複雑で高度な環境設定やフォローアップが、管理職に求められている。
沢渡氏は、そもそも「管理」には性格の異なる3つの役割があり、それを1人の管理職が担うこと自体、ハードルが高いと指摘する(図B)。
図B 管理職の役割
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「かつてのように、管理の仕事を1人が担当し、長時間労働と休日出勤でこなす、といったやり方はもはや不可能です。1人にすべての役割を負わせるのではなく、管理の仕事を分解して適性を見極め、社内外と共創してチームで解決していく発想が重要です」
すでに管理の役割を切り分け、それぞれを得意とする管理職を個別に配置する企業も見受けられるようになってきた。それが難しければ、管理の一部を次期リーダーに任せたり、外部の専門企業に委託したりする方法もある。
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沢渡 あまね
あまねキャリア代表取締役1975年生まれ。作家、企業顧問、ワークスタイルおよび組織開発専門家。「組織変革Lab」主宰。ダム際ワーキング協会共同代表、大手企業 人事部門・デザイン部門ほか顧問。プロティアン・キャリア協会アンバサダー、DX白書2023有識者委員。日産自動車、NTTデータなど(情報システム・広報・ネットワークソリューション事業部門などを経験)を経て現職。400以上の企業・自治体・官公庁で、働き方改革、組織変革、マネジメント変革の支援・講演および執筆・メディア出演を行う。趣味はダムめぐり。#ダム際ワーキング 推進者。組織改革・マネジメント変革に関する著書多数。