その言葉、アウトです!

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ゆみちゃん、コピーよろしく

企業におけるコンプライアンス違反が頻繁に取り沙汰されている。
昨今、何気なく発した一言がきっかけで大問題に発展するケースも少なくない。本コラムでは、つい言ってしまいがちなキーワードから、なぜそれが「アウト」なのかを掘り下げよう。

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  • ちゃん・くん付け
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愛称で呼び合ったり、名前に「ちゃん」「くん」を付けたりする職場をしばしば目にする。社風や慣習によるとはいえ、仕事の場だからこそそういった呼び方に抵抗がある従業員もいる。一方で、自分だけがちゃん・くん付けで呼ばれないと疎外感を受ける人もいるだろう。行き違いを避けるためにも、名前の呼び方を話し合う機会を設けたい。「職場環境を良くする方法」「ハラスメント問題」などをテーマに掲げて部署やチームで話し合い、その場で呼び方を話題にするとよい。

「仕事をする場所でちゃん・くん付けはふさわしくないと思う」「愛称は呼ぶのも呼ばれるのもイヤ」など、従業員の本音が聞ける上、職場環境の改善にも役立つ。

名字にさん付けが一般的

呼び方で一般的なのは、名字にさんを付ける方法だ。社長に対しても役職名を付けず、「○○さん」と呼ぶのが近年のスタンダードになってきた。

小学校でも男女を問わず「さん付け」を推奨する学校が多くなった。この呼び方で育った世代が今後増える。社内でもさん付けを基本とするのが好ましい。

同じ名字の人が複数所属する場合は、名字にさん付けで呼ぶと混乱や間違いが起きる恐れがある。仕事に支障がないように、下の名前にさんを付ける配慮をしたい。その際も上司が一方的に決めないで、話し合いで従業員の意見や希望を聞いて反映することが重要だ。

派遣やパートタイムの従業員に対して、名前ではなく「派遣さん」「パートさん」、あるいは所属する派遣会社名にさん付けで呼ぶ人もいる。これでは呼ばれた人は共に働く仲間と認められていないと感じ、意欲を失いかねない。良好なコミュニケーションを取り、仕事を円滑に進めるためにも、きちんと名字で呼ぶよう心がけたい。ましてや「事務のおねーちゃん」といった呼び方はもってのほか。非常に失礼で、相手を見下した印象を与えるので改めよう。

監修

稲尾 和泉

クオレ・シー・キューブ 取締役

2003年4月からクオレ・シー・キューブにてカウンセラーおよび研修講師。産業カウンセラー/キャリア・コンサルタント、精研式SCT(文章完成法テスト)修士、日本産業カウンセリング学会会員。共著に『パワーハラスメント』(日本経済新聞出版)など