トレンドを読み解く今月の数字
ちまたには様々な数字があふれている。それらは時に大きな意味を持つ。
「数字」から世の中の事象を切り取ってみよう。
- 今月の数字
- 人手不足
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万台
-日本における自販機の数-
Number Of The Month
※2023年末時点 ※自動サービス機含む
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日本各地で必ずと言っていいほど目にする自販機(自動販売機)。日本は世界有数の自販機大国で、普及台数は米国に次いで世界第2位だ。
日本における自販機の歴史は古く、現存する日本最古の自動販売機は、1904(明治37)年製といわれる。
今回取り上げた数字は、2023年末の自販機および自動サービス機の普及台数だ。前年比99.1%の393万1900台(※1)となる。このうち最も多いのは飲料自販機で約222万台だが、98.9%とやはり減少している。減少率が高いのがたばこの自販機で前年比81.6%の7万5300台。逆に伸びているのは冷凍食品やアイスクリームなどを扱う食品自販機で、前年比104.2%の8万1000台となっている。
- ※1飲料や食品など物品等を自動販売する「自販機」と、自動両替機や自動貸出機等を含む「自動サービス機」を合わせた合計(日本自動販売システム機械工業会)
自販機の動向と新たな役割
自販機の中にはユニークなものもある。例えば静岡県掛川市にある、お茶の自販機。「Chabacco」と書かれたパッケージは一見たばこのようだが、中身はスティック状のお茶だ。静岡をはじめ、京都や福岡など全国のお茶がそろう。他にも24時間いつでもブライダルリングが買える自販機、カットフルーツや生花が買える自販機など、多種多様だ。
ハードとしての自販機自体も進化している。消防や警察と連携して住所表示ステッカーを貼付し、街の案内板として活用する動きがある。また、人手不足の解消にAIやクラウドサービスを利用して遠隔で操作できる機種の開発も進む。これにより、現場スタッフに任せていた在庫状況に応じた配送ルートの選択も最適化でき、効率的な配送が可能となる。これまでの役割とは違った形で、自販機の活躍の幅が広がっていきそうだ。